講談社刊行の漫画雑誌

出版業界を席捲する大手企業の1つ

昨今の出版業界を取り巻く環境は、残念ながら厳しいといわざるを得ない状況に陥っているのはどうしても否めない。各企業も何とか善戦して、全盛期ほどの勢いを取り戻そうとまでは行かなくても、せめて企業を運営できるだけの安定さを求めて様々な事業を展開しては、会社の意地に躍起になっている。それは中小企業だけに留まらず、大手にとってもそうだ。確かに大手であるならばある程度企業のコンプライアンスなども相まって、取り巻く環境に置かれても何とか凌いでいられるといったところだろう。これでもしも現在出版業界における大手が何かしらの影響を受けるようなことになれば、そもそも日本の出版物そのものが危機的存亡に関わってくるかもしれない。

ただそこまで極端に事態が深刻な状況に陥ることもないはず、というのも何だかんだで雑誌などの刊行物は確かにその数を減らしてはいるものの、全体的な数字としてみればやはりまだまだ娯楽を楽しめる手段として用いられるのは間違いない。ただ安心できる状況、とは言いがたいのも事実。年々発行部数が少しずつではあるが落ち込みを見せている雑誌が多く見られるため、一概に今後も安泰であるということもないので、苦しいことには変わりない。

こうした社会情勢の中、何とか自分達の企業も盛り返して行こうとする動きが強くなっている中で、今回は大手企業の1つ『講談社』の刊行している雑誌を取り上げて考察して行こう。

講談社刊行の雑誌、発行部数の推移

講談社といえば昭和初期からその原形を保っている現代の日本において老舗出版業界として知られている、そんな講談社から刊行されている雑誌を読んだことがある人も多いと思う。筆者も講談社殻出版されている雑誌もそれとなく閲覧していたことがある。一般ではなく、主に漫画雑誌になるがそれでも90年代当初のことを考えれば週間少年ジャンプに匹敵しないにしても、連載されている漫画によってはこちらの方を愛読していたこともあった。筆者の場合は一時期ジャンプと講談社から発行されている『週間少年マガジン』の二冊を購入していたことがあったため、両方を閲覧していたこともある。現在はマガジンの方はそれほど読書しているわけでは無いが、現在どんな作品が連載されているのか程度には中身を確認しているくらいだ。

講談社殻発行されている漫画雑誌といえば、何も週間少年マガジンだけでは無い。その他の雑誌として名前が知られているものとしてあげれば『週間モーニング』・『月刊アフタヌーン』といった作品も有名なところだ。これら三つの雑誌は全て昭和後期頃に発行されて。既に創刊してから30年近い時間が経過しているものばかりというのも特徴となっている。雑誌単体としてみれば30年以上連載していれば、今のご時勢十分なくらいだろう。中でも週間少年マガジンは既に50年近い時間が流れているところを考えれば、戦後から既に15年程度経過している日本においては、貴重な雑誌の1つと見てもいいものだ。

さて、それら雑誌のい発行部数についてだが、昨年2013年の一年間を通してどれだけ売れたのかだが、それは次のようになっている。

雑誌名 週間少年マガジン 週間モーニング 月刊アフタヌーン
2013年総発行部数 5,366,118 1,173,887 344,000
2014年7月期発行部数 1,211,750 273,750 84,500

昨年の総刊行数を数字として記載してみたが、正直なところ具体的にどれくらいの人に読まれているかまでは、定かでは無いにしても決して少ない数字では無いだろう。マガジンにしてもだが、確かにライバル誌として何かと競争の立ち位置に祀りあげられるとさすがに辛いところはある。何せ週間少年ジャンプにしては昨年1年間の総発行部数は『11,168,853部』であり、週間少年マガジンと比べたらその2倍以上も刊行しているのだから、人気の度合いが桁違いに高い事は言うまでもないだろう。

ただジャンプにしても、全盛期の発行部数と比べたら比較するような数字では無いほどに落ち込みを見せているため、由々しき事態であると考えている人も少なくは無いだろう。ただその時期の発行部数は正直かなり現実味の薄いものだったと見てもいいかもしれない。それまでに刊行されていた部数を今の時代で売り上げるというのがどれほど難しいことか、またかつての勢いを取り戻すにしても、中々思うように行かない現状に対して歯噛みしているのだけは、間違いないといえる。

6年前と比べても発行部数の低下は著しい

売上が低下しているのは重々承知だが、現在調べられる範囲での情報によると一番古くて6年前となる2008年7月期の発行部数と現在2014年7月期の発行部数とを比べてみても、この数年で大きく数字の落ち込みを見せているため、そういった点でも注意されたしといった風潮が業界に流れるのも頷ける。比較してみると、

  2008年7月期 2014年7月期
週間少年マガジン 1,720,000 1,211,750
週間モーニング 386,750 273,750
月刊アフタヌーン 114,334 84,500

このようになっているため、いかに発行部数が落ち込んでいることをよく理解出来るはず。特に週間少年マガジンに限ってみれば、発行された部数を見ると過去6年間でおよそ50万部近い数字の雑誌が売れなくなっているといるのだから、不況であるといわれても納得してしまう数字だ。

電子書籍はさらなる不況を呼び込む

出版業界の不況が嘆かれるようになってか満を辞して登場したのが電子書籍だ、実際に利用している人もいるだろう。ただ日常の中で、恒常的に利用している人はどれだけいるのかと聞かれたら少し疑問を提唱したくなる点だ。何故なら、電子書籍は確かに本という紙そのものを持たなくてすむという利点もあり、持ち運びする際にもに持つにならなくて便利だという側面はもちろん理解できる。だが、電子書籍というものはあくまでネット上で購入しても、それは『レンタルしている』と同じ意味の状態であることに気づき始めている人は多いだろう。

本質的な意味で購入したとは言いきれず、またある程度の日数が経過してしまうと、書籍の閲覧が禁止されてしまうためそれでは不便だと感じる人が実際に増えていると思う。筆者もそれなりに電子書籍を利用しているが、本当に欲しいものに関しては紙の書籍を購入し、それほど購買意欲をそそられるモノでは無い商品に関しては電子書籍でと使い分けている、これによって買い逃しがないようにしているため不便だと感じることもない。少しばかり投資が嵩んでしまうこともあるが、リアルな持ち物として保存することもないだろうというのが個人的な意見だ。

使い勝手が良いと言われている電子書籍だが、登場によって雑誌の発行部数低下も招いているという見かたも出来る。先述のデータから見ても顕著なまでに発行部数が低下しているのを窺い知れるが、単純に雑誌を買わなくなったという理由もあれば、雑誌の内容全てに用はないという人もいるはず。実のところ筆者もその一人だ。読みたい作品があればそれだけ読めれば良いと考えており、それ以外の作品はそこまで熱心に読むこともない。時々ハマることもあるが、それも本当にごく小数作品だけに限られている。

その意識を示しているように、電子書籍の登場で読みたい作品だけが読めて、書籍として発売されるまでに内容を見たいという人にしてみれば便利なアイテムだからだ。一時期は出版業界において救世主だとも言われていたが、皮肉にも現在では反転して疫病神のような性質を持ってしまっていると分析できる。

ちょっとした一例として

筆者は少し前まで書店で勤務していたが、そこで驚きというか何を血迷ったサービスを導入しているのかと本社の考えている事が理解できない事業が立ち上がった。それは書籍を扱う店で『電子書籍を販売する』という試みである。本部の試作した案件だったため表立って何も言わなかったが、内心売上低下を招きかねない、またそもそも紙の書籍を買いにきている人達に対して電子書籍などというものを購入することを勧めてどうするんだと、少々喧嘩腰とも思えるサービス内容にはさすがにどうかと思ってしまった。

それから直ぐに退社してしまったが、後々経過などを確認してみると導入してからわずか半年足らずでサービス終了という通知が公式サイトに記載されていた。やっぱりというか、当然といったような結末にため息しか出ない。只でさえ電子書籍という弊害によって雑誌の売上が低下しているというのに、この上更に全体的な売上を低下させて誰が得をするんだというところだったが、そもそも消費者からは頑として受け入れられなかったという顛末だっただろう。それなりに息巻いていたという話だったが、担当者にしてみれば黒歴史の一端になっただろう。

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