面接とは、よくも悪くも演技です。そして面接官は「ただただ模範的」という回答を嫌います。

たしかに頭はいいんだろうけど、人間性がわからない。いざというときの対応力がわからない。だから、わざと演技のきかない場面をつくり出して、その人の素顔を見ようとする。どれだけアドリブで対応できるのか知ろうとする。無茶振りと呼ばれるタイプの質問ですね。カレーの隠し味なんかは、典型的な無茶振りでしょう。
このとき、僕だったら「味噌」と答えます。もちろん、正解なんかないんだから醤油でもバターでもなんでもいい。
ひとつ大切なのは、それを「経験に基づいて」語れること。醤油を入れることで、味にどのような変化があるのか。バターを入れたらなにが変わるのか、味噌はどのタイミングで入れるのか、などをしっかりと経験に基づいて語れることが重要なのです。
一般に、カレーにヨーグルトやローリエを入れるとおいしい、といいますよね。でも、実際にやったことがないのなら、口にすべきではない。すぐに「なぜ入れるの?」とか、「どのタイミングで入れるの?」とか聞かれて、答えに窮することになるでしょう。
これら聞きかじりの知識というのは、すべてが「〜すべき」という、観念的な「べき論」なんですね。面接官が聞きたいのはそんな「べき論」ではありません。あなたの経験や、あなたならではの判断基準が聞きたいのです。したり顔で「べき論」を語るヤツよりも、実行力のある人材がほしいわけですから。
また、隠し味だけでなく、カレーにまつわる失敗談などを織り交ぜて場を和ませるのもいいでしょう。
面接のとき、優等生的な「正解」だけを答えても、話はまったく盛り上がりません。話を広げ、深めていくためには自分の経験から語る必要がある。経験から語られた言葉にはリアリティがあるし、説得力がある。面接官に「今度、自分もカレーに味噌を入れてみようかな?」と思わせることもできる。そこまでいければ完璧ですね。




