僕も須田(共同経営者)も、前職は博報堂でした。仕事も面白いし、待遇も充実しているし、社風も自由で、合コンでも強い。だから離職率は低いし、起業を考える人なんてほとんどいませんでした。

ところが、僕は物心ついた頃から起業志向が強かった。ずっと「いつかは起業を」と考えてきたし、それが当然だと思っていた。
ただ、大切なのは起業することではなく、起業して「なにをやるのか」なんですね。
たとえば、それまでの人脈やスキルを生かして、広告代理店を起ち上げるのはラクだったと思います。でも、それならわざわざ起業しなくても、博報堂にいたほうが大きな仕事ができる。
では、どうして起業を決断したのかといえば、すごいアイデアを思いついちゃったからなんです。世界初の、画期的なビジネスを思いついてしまった。
このアイデアを実現させるため、エニグモという会社はつくられました。現在の「BuyMa」です。会社を起ち上げたかったというより、ビジネスそのものを起ち上げたかったんですね。
だから当初は、自分たちがオーナーでなくとも、このアイデアが世に出てくれればいいと考え、パートナー探しにも奔走しました。
でも、本当にやりたいことは、他人に任せていたって実現しない。特に僕らがやろうとしていたのは前例のない「世界初」の試みだったから、なかなか細かなニュアンスまで理解してもらうのは難しかった。
じゃあ、自分たちでやってしまおうということで起業することになったんです。
ベンチャーだから仕事の規模や、動かすお金が小さいという感覚はまったくありません。大手にいても、動かせるのはせいぜい100億から1000億単位のお金。でも、新しい「市場」をつくることができれば、それこそ何兆というお金の流れができあがるかもしれない。どっちがワクワクする話なのかは一目瞭然ですよね。




