私は常々、自分で自分を経営するための「個人の事業計画書」をつくるよう提案しています。

企業経営には、優れた事業計画の存在が欠かせません。同様に、「自分経営」にも事業計画が必要なのです。事業計画の存在なくして、優れたキャリアデザインはないのです。
事業計画書の具体的な内容や書き方の詳細については、拙著『会社を替えても、あなたは変わらない』(光文社新書)を参考にしていただくとして、ここでは話を転職に絞ってお話ししましょう。
まず、転職先を決定するまでの流れを見直します。事業計画的な観点から考えた転職の意志決定プロセスは、次のようになります。
①自分が目標としている「労働市場」はどこか?
②その労働市場の「人材ニーズ」はなにか?
③市場のニーズと自分の「強み」は合致するか?その強みは何か?
まず「市場」ですが、これは単純に営業マン市場やシステムエンジニア市場といった市場のことだと考えてください。(本当はもっと詳しく考えた方がよりベターです)。
続く「ニーズ」は、たとえば「最近の営業マン市場では、提案型営業へのニーズが高まっている」といった話です。
そして自分の「強み」は、提案型営業というニーズと自分の強みが合致するかどうか、という問題になります。もし、これが合致するようなら、その人は営業マン市場において「市場価値が高い」と判断されるのです。
会社選びに入るのは、この3点をクリアした後です。
極端な話をするなら「どの会社に入るか?」なんて「どの英会話スクールに通うか?」という程度の問題です。自分で自分を経営する時代、大切にすべきは自分が目指す「労働市場」と「人材ニーズ」、そして「自分の強み」の3点セットなのです。
事業計画において「市場」「ニーズ」「強み」の3点を考え、まとめあげていく作業を「事業ドメイン」の設定といいます。個人の事業計画なら「自分ドメイン」ですね。これは事業計画(キャリアデザイン)の幹になる部分で、会社選びも資格の取得も自分ドメインから派生する枝葉の作業(自分オペレーション)なのです。




