地球の救い方

地球の救い方

「オゾン的孝行」
no.05 (8/07更新)
 

図解  1840年ドイツの化学者クリスチアン・シェーンバインによって、新しい物質が発見され、その物質はギリシャ語の「臭うこと」を表す「Ozein」にちなんで「オゾン」と名付けられました。オゾンそのものは生臭い匂いがあり有害な物質です。その意味では「地球くん」に登場するオゾン僧が異臭を放っているというのもうなずけます。ただ、直接的には有害物質のオゾンですが、太陽光に含まれる紫外線を吸収することで地上の生態系を保護してくれています。しかし、私たちの命の恩人とも言えるオゾン層は、人間の生み出したフロンによって大きく破壊され「オゾンホール」と呼ばれるオゾン層の穴が生じているのです。
 冷蔵庫やエアコンに使用されるフロンを規制していくことは確かに必要なことでしょう。しかしここで考えていただきたいのは、オゾン層を守るというマクロな視点だけでなく、「私たちは身近にあるオゾン的なものを軽視しがちではないだろうか?」ということです。オゾンは目に見えない物質であり、目に見えないものによって私たちは守られてきました。それと同様に、オゾンのように、その有り難さが目に見えないものが数多く存在します。これらの「オゾン的なるもの」をまず守ることから始めてみてはいかがでしょう。それが今回のエコフェッショナル「オゾン的孝行」です。次の単語を見てください。
ウドンオカンオトン写真 オゾンオカンオトン文字
 こうして並べてみれば、これらの単語がほとんど同じ音(オン)から構成されているのが分かります。まさに、オカン(母親)やオトン(父親)は、私たちを保護するのが当たり前すぎて、その有り難さが見えづらくなっている、オゾンのような存在だと言えるでしょう。あなたの家庭に、オカンホールはあいていませんか?オトンホールはどうでしょう? 環境問題というグローバルな問題を考える前に、まず足元を見なければなりません。そして、「オカン」と「オトン」だけではありません。「ウドン」はどうですか? テスト前の一夜漬けで、ウドンという消化の良い夜食に助けられた経験が誰しも一度はあるはずです。最近、ウドンを食べていますか?
 あなたを留年から救ってくれたウドンに、感謝はできていますか? そして、「ペロン」。ペロンが存在しなかったとしたら、あなたはソフトクリームにかぶりつかねばなりません。ペロンとなめることができなかったとしたら、ソフトクリームはソフトとは名ばかりのハードな食べ物になってしまうことでしょう。このように、「オゾン」という単語の周りだけでも、私たちの生活を陰で支えてくれているものが山ほど存在するのです。もっともっと「オゾン的なるもの」を探し、今すぐに保護しましょう。こうしたミクロな視点が地球規模に拡大したとき、人類がオゾンにあけた穴がふさがる可能性が見えてくるはずです。

    クリスチアン・シェーンバイン
    1799年生まれ。ドイツ、スイスの化学者。綿火薬(ニトロセルロース)の発見者として知られる。また1840年にオゾンが酸素で形成されていることを発見した。彼は激しい臭気を放つその物質を、ギリシャ語の「臭うこと」を表す「Ozein」から「オゾン」と名付けた。