ドラゴン桜コラム 灘高キムタツの、東大英語は怖くない!

第73回 勉強と食事の相関関係を考える!
(2/21更新)
国公立大学二次試験の受験を控えて、受験生の皆さんは緊張していることと思います。緊張をほぐすつもりというわけでもないのですが、一見すると受験や勉強には関係なさそうな食事についてお話ししてみたいと思います。とは言うものの、僕も栄養学については全くの素人ですので専門的なことはとても言えません。ここは素人ながらも今までの教員生活の中で感じたことをつらつらとお話してみますね。
灘の近くにコンビニがありましてね。土曜日になるとそこでカップラーメンを買った灘の生徒たちが、お湯をこぼさないようにフラフラとバランスを保ちながら学校まで歩いてくるという光景が当たり前のように見られるようになりました。午前中に引き続いて午後にも部活動がある生徒たちなんですが、僕はどうもこのカップラーメンやインスタント食品というものに違和感を持っています。
我々人間が勉強をしたり仕事をしたりする時に大事なものは何かと問われると、もちろん学力であったり仕事の処理能力であったりするのですが、それを支えるのが集中力や粘りというメンタルな部分なのですね。よく保護者の皆さんが子供に「勉強しなさい」とおっしゃるのですが、根本的に勉強できないタイプの生徒というのがあります。信じられないかもしれませんが、50分という授業時間や、それを支えるほんの数十分の予復習ができない生徒がいるのです。灘に入ってきた時点ではできても、数年経つうちにできなくなる生徒もいます。先生とのコミュニケーションを継続する粘りや、自宅学習に対する気力が続かないタイプの生徒がいるのです。誤解しないでほしいのですが、決して勉強したくないわけではなく、50分間集中することができないのです。つまり、じっくりと机の前に座るということができないのですね。
これにはいろんな原因が考えられます。勉強ではなくゲームなら、それがどんなに複雑であっても、50分どころか2時間でも3時間でも続けられる。カラオケなんかでも、いくら難しい歌であっても、歌詞を短期間に暗記して歌うことができる。ところが勉強や仕事をするためには、つまり気が進まないものごとをちゃんと処理するためには、やる気を喚起し、それを持続する能力を育んでおく必要があるわけです。そこに問題がある生徒がいるのですが、そういった生徒が生まれつき集中力がなかったり記憶力に乏しかったりするわけではないと思うのです。
学力を身につけるためには、当然勉強が必要です。そしてまた勉強をするためにも、下地となるメンタリティーを育む必要があるわけです。では、どうやって育むのか。そこで食事が非常に大きな役割を果たすのではないでしょうか。僕も20年間教員をやってきましたが、おそらくそれは間違いないと思っています。これから挙げるのは、勉強と食事に関係を示す具体例や実感です。
- 料理人の程一彦さんに伺ったことですが、お母さん方が野菜ばかりを若い人たちに与えるのはあまり勧められないとのことでした。もちろん野菜をバランスよく摂るのは必要ですが、10代の頃には肉を中心とした食事のほうが、気力の充実には良いようです。(ちなみに30代になると野菜中心の食事にしたほうが良いとのことでした。)
- インスタントラーメンは勉強に対するやる気や気迫となるエネルギー源とはならず、むしろ集中力を低下させるように思われます。コーラやソーダといった炭酸飲料も同様ですね。
- 朝食には炭水化物を摂ると良いでしょう。身体的にもそうですが、頭の働きにとっても、炭水化物がエネルギー源となります。また朝食はしっかりと食べましょう。そのためにも夜は早めに休むほうがいいと思います。
- どうも体調が悪いなというときには、カレーなどの刺激物を食べないほうがいいです。また、そういうときには満腹にならないようにすることも大事です。刺激物や満腹が原因となってお腹の風邪をひくことがあります。
- イライラが集中の妨げになるのは受験生も大人も同じです。そういうときには、意識してカルシウムを摂りましょう。カルシウムはビタミンDやマグネシウムと一緒に摂るのがいいそうですが、牛乳を毎日飲む程度で十分ではないでしょうか。牛乳の苦手な人は、例えばヨーグルトでカルシウムを摂ったりなど、工夫するといいでしょう。
- 深夜に勉強をしているときなど、夜食を摂りたくなるときがあるでしょう。ただし、受験直前期にはそのせいで体調不良に陥る可能性もありますので、控えたほうが良いと思います。太ってしまうというデメリットもあることですし、普段から夜食は温めたミルクを飲むくらいにしておいたほうがいいでしょう。
- 受験が近くなったら、できるだけ消化の良い食べ物を摂るように心がけましょう。食事が原因で体調不良になるといった事態は、絶対に避けたいところです。そのためにも、ファストフードや菓子類といったジャンクフードは一切摂らないようにしましょう。
初めに前置きしたように、僕は食の専門家ではありません。ですが、僕自身が心がけていることと、今まで色んな生徒たちを見てきて、正しいだろうと思えることをお話しさせていただきました。特に中学生と高校生にとっては最も身体ができる時期ですから、食事はとっても重要な要素なのです。僕の友達で受験前夜に「敵に勝つ」っていうんで、豚テキと豚カツを食べて当日にお腹をこわし、試験中に3回もトイレに走った人がいます。それは極端としても、普段から食事に気をつけることで集中力を高めることもできますし、イライラを排除することもできます。だから、ご家族にも協力してもらって食事に気を遣い、なるべくベストの状態で受験に臨めるようにしましょう。
次回は2008年3月6日(木)更新
