ドラゴン桜コラム 灘高キムタツの、東大英語は怖くない!

第74回 2008年度東大入試を振り返る!
(3/17更新)
2008年度の東大入試に関するスケジュールも、前期・後期試験ともに終了し、あとは後期試験の発表を待つのみとなりましたね。すでに前期試験で合格した灘の生徒たちは東京での住処を決めたようで、その多くは3月末に引越しをするようです。日本武道館で行われる東大入学式を今か今かと待ちわびている彼らに向けて、また合格された受験生の皆さんに向けて、その頑張りに敬意を表します。合格おめでとう!
今年から定員が増えたこともあって、前期試験において灘高からは108名の生徒が合格しました。そのうち現役が81名です。現浪合わせて理Ⅲにも19名合格ということですので、今年はよく頑張ったんじゃないかと思っています。とはいえ、前期試験で不合格になった生徒がいるのも事実で、彼らのことはまだ気にし続けています。まずは、後期試験の結果を楽しみにしたいと思っています。
さて今回は、前期試験で合格した生徒たちの特徴や成績についてお話ししたいと思います。
まずセンター試験の結果と前期試験の合否結果の比較をしてみましょう。これはやはり昨年度に引き続き、センターで取れていない生徒のほとんどが前期試験でも不合格になっています。『ドラゴン桜』では水野と矢島のセンター得点が720~730点でしたが、今年の東大入試ではこの得点では絶対に足切りにひっかかってしまっていたでしょう。900点満点でやはり最低でも780点以上は取っておきたいところです。ある予備校のデータによると、文Ⅰから理Ⅲにいたるまで全ての科類で、いわゆる“逆転合格”がほとんど見られなかったようです。この“逆転合格”とは、センター試験ではあまり得点を取れなかった受験生が、二次試験で高得点をとって合格することです。この傾向は灘高でも見られ、センター試験で800点以上取った生徒の大半は合格しましたが、それ以下の得点の生徒の多くは不合格となっています。『ドラゴン桜』では桜木先生が「東大は二次試験で逆転可能だ」ということを言っていました。以前は確かにそういう傾向があったんですが、現在ではセンター試験の得点がかなりのウェートを占めているのは間違いありません。
次に二次試験の出題傾向についてお話ししましょう。これは、多くの教科が例年どおりの出題傾向でした。世界史が易化したり数学が難化したりと、教科によって難易度は変わっていますが、出題傾向が似ていたため、対策は練りやすかったのではないかと思いますね。全教科に共通していえるのは、やはり、基本的な問題をできるだけ速く多く処理する能力が問われているということでしょう。 また、合格した生徒を見ていて思ったのは、かなり数学の採点が甘かったのではないかということです。数学に関しては、とても完答できそうにない問題でも白紙で提出するのではなく、部分的にわかったことを少しでも書こうとする姿勢が必要なのでしょう。 社会と理科に関しては、ほとんどの合格者が120点中80点ぐらいは最低でも取っていたようでした。ですので社会や理科で点数が取れない人は、その時点でかなり不利だということになりますね。
では、英語はどうだったのでしょう。英語は120分で120満点ですので、1点取るために1分費やすという計算式が成り立ちます。例えばリスニングは約30分ですので、配点も30点くらいだと考えられるでしょう。大問ごとのおおよその配点は以前もお話ししましたが、ライティングが約30点と言われていますので、残ったリーディングは約60点だと考えられます。他教科の成績からみて英語でどのくらい得点しなければいけないかをよく考え、戦略的に解いていく必要があるでしょう。中には「リスニングを捨てる」なんてムチャクチャなことを言っている受験生もいるようですが、120点中30点を捨ててしまうなんて正気の沙汰ではありませんよね。
前期試験の結果を見ていて思うのは、リスニングとライティングに強かった生徒が合格しているということです。リーディングは単語のレベルが高かったり、問題となる文章が苦手なジャンルだったりして、うまく得点できないこともあるでしょう。しかし、リスニングやライティングは比較的に安定した得点源となります。模試の結果と比較すると、秋の時点でリスニングを5~6割がた取れていた生徒は、本番では7割以上の得点を叩きだしていたようです。またライティングは出題傾向が微妙に変わったのですが、それでも十分に対応できる範囲内だったようです。「『東大英語ライティング&グラマー』を使って勉強してきたおかげで、ライティングで点数を落とすとは思えなかった」とは、合格した生徒の言葉。作者としても教師としても嬉しい限りです。
まとめると、約60点分を占めるリスニングとライティングでの得点が、英語の基礎点になると考えていいようです。ここが何より重要な部分で、東大英語を攻略する際の最重要ポイントだと僕は考えています。
これについてはまた次回に詳しく説明しますが、とにかく英語で70~80点を取ることさえできれば、入試においてかなり有利に戦えます。実際に前期試験に合格した生徒に聞いてみると、その多くはやはり英語で70~80点は取っています(もちろん、英語が苦手で、その分他教科で強烈な点数を取った生徒もいることはいます)。来年以降も同じような形式で入試が行われると思います。僕がこのコラムやブログで書いている攻略法で、英語に関しては十分に対応できますので、来年以降の受験生はぜひ参考にしてください。
まとめるとポイントは次のとおりです。
★ センター試験では高得点をゲットすること。
★ 社会(文系)と理科(理系)では80点以上を狙うこと。
★ 数学はできなくても部分点狙いで、解答欄を埋めること。
★ 英語はリスニングとライティングで高得点を取りに行くこと。
来年以降に東大を受験する人は参考にしてください。また今回は惜しくも不合格となり浪人が決まった受験生も、上記の4点をぜひ念頭に置いて、勉強計画を練ってくださいね。
次回は2008年4月3日(木)更新
